空き家を放置するとどうなる?固定資産税の増加・近隣トラブル・倒壊リスクまで徹底解説

日本では少子高齢化や人口減少に伴い、空き家が年々増加しています。
一見放っておいても問題なさそうに見える空き家ですが、実は多くのリスクを抱えています。
この記事では、空き家を放置することで発生する固定資産税の増額、近隣住民とのトラブル、倒壊の危険性、さらには法律的な問題まで詳しく解説します。空き家を所有している方や相続予定の方は必見の内容です。
空き家を放置すると固定資産税がどう変わるのか?
空き家を放置し続けると、固定資産税の負担が大きくなる可能性があります。これは、特定空家に指定されることで、これまで受けていた税の優遇措置が解除されるためです。
「特定空家」に指定されると固定資産税の優遇措置がなくなる
通常、住宅が建っている土地には「住宅用地の特例措置」が適用され、固定資産税が軽減されています。
しかし、空き家が長期間放置されて劣化が進み、周囲に悪影響を及ぼすと判断された場合、「特定空家」に指定されます。
特定空家に指定されると、住宅用地の特例が解除され、税金の優遇がなくなります。
その結果、空き家の所有者は、これまでよりも高額な税負担を背負うことになります。
更地扱いになり税額が最大6倍に増える
住宅が建っている土地は固定資産税が最大1/6まで軽減されますが、特定空家と判断された場合、その優遇は適用されません。
優遇措置が解除されると、更地と同じ扱いになり、固定資産税が最大6倍に増えることになります。
これは所有者にとって大きな経済的負担となります。
空き家を放置することで、結果的に高額な税金を払い続けるリスクがあるのです。
自治体の判断で税負担が大きくなる可能性がある
特定空家の指定は、市町村などの自治体が現地調査などを行い判断します。
建物の外観や安全性、衛生状態などを総合的に見て、「周辺環境に悪影響を及ぼしている」と判断されると、税制優遇が解除されます。
自治体によって判断基準に差があることもあり、ある市では問題ないとされた空き家でも、別の市では特定空家とされる場合もあります。
このため、自分の空き家がどのように評価されるのか、定期的に確認することが重要です。
空き家放置が引き起こす近隣トラブルとは?

空き家は、放置することで近隣住民とのトラブルを招くリスクが高くなります。これは衛生環境や安全性に直結する問題です。
雑草や樹木が繁茂して害虫や動物が発生する
空き家が長期間管理されていないと、庭や敷地内に雑草や木が生い茂りやすくなります。
その結果、ゴキブリや蚊、ネズミ、さらにはアライグマやハクビシンなどの動物が住みつく可能性があります。
これらの害虫や動物は近隣住宅にも被害を及ぼすため、住民から苦情が寄せられることになります。
最悪の場合、衛生問題や病気の原因にもなりかねません。
空き家が犯罪の拠点や放火の対象になる
人の出入りがない空き家は、外部から不審者が入り込みやすい状況になります。
空き家を放置すると、不法侵入者による窃盗や不審火、薬物使用などの犯罪が行われる可能性があります。
特に放火は深刻な問題で、空き家から周囲の家に火が燃え移ることで大きな被害が出ることもあります。
こうした危険性は、近隣住民の不安を高め、地域全体の治安にも悪影響を及ぼします。
景観や衛生面で近隣住民の生活環境に悪影響を与える
空き家が劣化して外壁が剥がれたり、ゴミが溜まっていたりすると、周囲の景観を損ねてしまいます。
また、悪臭や虫の発生源になることもあります。
このような状況は、住環境の悪化を招き、住民の生活の質を著しく下げることになります。
さらに、近隣の土地や家の資産価値にも悪影響を及ぼす可能性があります。
空き家放置による倒壊の危険性とは?
建物は人が住んでいないと急速に老朽化します。そのまま放置すれば、倒壊の危険が高まります。
建物の老朽化が進み構造が不安定になる
空き家は定期的な点検や修繕がされないため、湿気やカビ、雨漏りなどで内部の構造が劣化します。
木材が腐食し、基礎が弱くなることで、建物全体の強度が落ちていきます。
こうなると、小さな地震や強風でも建物が傾いたり、倒壊する可能性が出てきます。
見た目がきれいでも、内部は危険な状態になっているケースもあるため注意が必要です。
地震や台風時に建物が崩れるリスクが高まる
日本は自然災害が多い国です。特に地震や台風による被害は深刻です。
空き家が老朽化している状態で災害が発生すると、建物が崩れる可能性が高まります。
崩壊によって周囲の住宅や通行人に被害が及ぶと、所有者が責任を問われることになります。
万が一に備えて、早めの対応が求められます。
屋根や壁の一部が落下し通行人や近隣住宅に被害を及ぼす可能性がある
老朽化が進んだ空き家では、屋根瓦や壁材が風で飛ばされたり、自然に落下する事故もあります。
こうした事故によって、通行人がケガをしたり、隣家の屋根や窓を壊してしまうこともあります。
責任を問われれば、損害賠償の対象になります。
空き家を「ただの持ち家」として放置するのは、非常に危険です。
空き家を放置するリスクと法律上の問題点

空き家を長期間放置していると、固定資産税や安全面だけでなく、法律的なトラブルにも発展する可能性があります。
空家対策特別措置法により行政指導や罰則を受ける
2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、各自治体は危険な空き家に対して指導や勧告、命令を出すことができます。
たとえば、建物の倒壊や火災などの危険性がある場合には、「特定空家等」に指定されることがあります。
勧告や命令に従わなければ、最終的には行政代執行により強制的に解体され、その費用が所有者に請求されることもあります。
放置しているだけで法的リスクが高まることを理解しておきましょう。
管理不全による事故や被害で損害賠償責任を問われる
空き家の倒壊や部材の落下によって他人に被害が出た場合、所有者には損害賠償責任が発生します。
たとえば、屋根瓦が落ちて通行人にけがを負わせた場合や、隣家の車に被害が出た場合、損害の全額を補償しなければならない可能性があります。
所有している以上、管理責任は免れないことを理解しておくべきです。
空き家の「持ち主不明」が問題になることもありますが、登記上の名義が残っていれば法的責任は逃れられません。
相続登記が未了の場合、売却や有効活用ができない
空き家を相続した際、登記の手続きをしていないと、その物件を売却したり貸し出したりすることができません。
2024年からは相続登記が義務化されており、正当な理由なく登記を放置すると10万円以下の過料が科される可能性があります。
また、登記をしていないことで相続人間のトラブルも起きやすくなります。
空き家を放置する前に、まず相続登記の確認と手続きを済ませることが重要です。
空き家放置で固定資産税が6倍になる理由とは?
空き家の固定資産税がなぜ6倍にも増えるのか、その仕組みを理解しておくことはとても大切です。
住宅用地の特例措置が解除される
住宅が建っている土地には、「住宅用地の特例措置」が適用され、固定資産税が大幅に軽減されています。
小規模住宅用地(200㎡以下)なら1/6、大規模住宅用地(200㎡超)でも1/3に減額されます。
しかし、特定空家に指定されると、この特例措置が適用されなくなります。
つまり、今まで優遇されていた税額が一気に6倍になるという仕組みです。
「特定空家」に指定されると更地と同じ課税対象になる
特定空家と認定されると、建物があるにもかかわらず「更地」と同じ扱いになり、課税額が跳ね上がります。
土地に建物があるだけで得られる大きな税の優遇が、行政判断一つで失われるということです。
これは、放置された空き家が防災・防犯・衛生などの観点から問題視されているためです。
所有者が責任を持って管理しない限り、税制上でも不利な扱いを受けることになります。
勧告や命令を受けると自治体が税の優遇を取り消す
空き家が危険であると判断されると、自治体から「勧告」が出されます。
この勧告が出されると、法律に基づいて住宅用地の特例が外され、固定資産税の優遇は自動的に取り消されます。
所有者が改善措置を取らなければ、命令、さらには行政代執行に進む可能性もあります。
放置することで税金が増えるだけでなく、罰則や強制執行も待っているのです。
空き家の倒壊リスクを減らすためにできること

空き家のリスクを減らすためには、日頃の管理と点検が欠かせません。以下の対策を講じることで、安全性を保つことができます。
定期的に建物の点検と修繕を行う
最低でも年に1回は建物の内部と外部を点検し、劣化や破損があれば早めに修繕することが重要です。
屋根や壁、雨樋(あまどい)などは特に劣化が早い箇所なので、重点的に確認しましょう。
こうしたメンテナンスを怠ると、空き家の価値が下がり、売却や活用が難しくなります。
点検は専門家に依頼することで、より正確な判断が可能になります。
空き家管理サービスを利用して管理体制を整える
自分で管理が難しい場合は、空き家管理の専門サービスを活用する方法があります。
巡回点検や清掃、防犯チェックなどを定期的に行ってくれるサービスも増えています。
費用はかかりますが、トラブルを未然に防ぎ、建物の価値を守るためには有効な手段です。
遠方に住んでいる相続者にとっても安心できる対策です。
空き家バンクに登録して利用者を募る
空き家を有効活用したいが、どうすればいいかわからない場合は「空き家バンク」の利用が有効です。
自治体やNPOが運営しており、登録すれば借り手や買い手を探してもらえます。
地域によっては補助金制度もあり、リフォーム費用の一部を負担してもらえるケースもあります。
管理の手間を減らしながら、空き家を有効に使うチャンスとなります。
空き家の近隣トラブルを防ぐための対策とは?
空き家による近隣トラブルを避けるには、周辺への配慮と最低限の管理が必要です。
定期的な草刈りや清掃を実施する
庭や敷地の草刈り、落ち葉の掃除、ごみの処理などを定期的に行いましょう。
これだけでも近隣住民からの印象は大きく変わりますし、害虫や悪臭の発生を防げます。
清掃は自分で行うのが難しい場合、シルバー人材センターなどを活用すると安価で依頼できます。
人の手が入っていることで、空き家が放置されていないことも周囲に伝わります。
防犯設備や施錠を強化して不法侵入を防ぐ
人が住んでいない家は、不審者の侵入や放火のリスクが高まります。
センサーライト、防犯カメラ、強化ガラスなどの設備を設置することで、犯罪を未然に防ぐ効果があります。
また、ドアや窓の施錠をしっかり確認し、簡単に開かないようにすることも大切です。
地域の防犯パトロールとも連携するとより安心です。
専門の管理会社に委託してトラブルを未然に防ぐ
空き家管理に不安がある場合、専門の管理会社に依頼することで、すべての問題を解決できます。
管理会社は点検・清掃・防犯対策などを代行してくれるため、近隣トラブルの発生を防ぎやすくなります。
また、定期的な報告書をもらえるため、安心して管理を任せられます。
費用はかかりますが、将来的なトラブルや損害を考えると、十分に価値がある投資です。
空き家を放置せず有効活用する方法とは?
空き家は放置するのではなく、うまく活用すれば資産に生まれ変わります。
賃貸住宅として貸し出す
空き家をそのまま賃貸物件として貸し出せば、安定した収入源になります。
リフォームを施すことで、若者や移住希望者に魅力的な物件に変えることも可能です。
空き家の価値を最大限に活かすには、早めの活用がカギになります。
地元の不動産会社に相談して、需要があるかを確認することから始めましょう。
リフォームして民泊や店舗として運用する
観光地に近い場所や人通りが多い地域であれば、民泊や店舗としての運用も可能です。
最近では古民家をリノベーションしてカフェやシェアスペースにする事例も増えています。
補助金制度を活用すれば、リフォーム費用の負担も軽減できます。
地域活性化にもつながり、社会的な貢献にもなります。
自治体の空き家活用制度を利用する
多くの自治体では、空き家対策として活用支援制度を設けています。
たとえば、リフォーム補助金、固定資産税の減免、改修アドバイスなどです。
空き家を自治体に登録すれば、利用希望者の紹介を受けられることもあります。
自分だけで悩まず、自治体やNPOに相談することが第一歩です。
まとめ|空き家放置のリスクと固定資産税・近隣トラブル・倒壊の危険について
空き家を放置すると、固定資産税の増額、近隣トラブル、倒壊リスク、法律問題など、さまざまなリスクが生じます。
特に「特定空家」に指定されると、税制上の優遇が失われ、経済的負担が大きくなります。
また、倒壊による事故や損害賠償責任、法律上の罰則なども見逃せません。
空き家は放置せず、定期的な管理や有効活用を検討することで、リスクを回避し、資産として生まれ変わらせることができます。
建物の解体工事は、私たち三和にお任せください!
今回この記事では、空き家を放置するリスクについて解説いたしましたが、この記事を読んで建物の解体工事を検討し始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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